学校行きたくない時やってよかったのは「読書」でした【元不登校の体験談】

不登校だったときやってよかったことは読書 記事サムネイル 不登校

学校に行けなくて、毎日時間が止まったように感じる。生活が失われる感覚。
不登校だった私も感じたことがあります。そんなとき私を支えてくれたのが 「読書」でした。

本は、私が焦っていても、不安で泣いていても、静かにそこにいてくれます。ページをめくれば、自分の知らない場所へ連れて行ってくれます。

この記事では、不登校だった私が「読書をしてよかった」と思う理由や、無理なく読書を続ける方法を解説します。

教室が大嫌いな私と本

教室のイメージ
みらいブランチ編集者
みらいブランチ編集者

私は高校生の時不登校を経験しました。

私は学校そのものは嫌いではなかったのですが、教室にいることがとても苦手でした。

特に休み時間の「ざわざわ」とした雰囲気に耐えられなくなり、次第に学校へ行けなくなってしまいました。

布団から出られない日が続いたり、将来のことを考えると真っ暗にしか思えなかったり…。暗い水の底で誰にも気づかれずに孤独に生きている感覚でした。

ですが、少しでも元気がある時には、本を読むようになりました。

最初はただの時間つぶしでしたが、ページをめくるうちに知らない世界に出会ったり、いろいろな考え方に触れたりして、本に没頭することで気持ちが軽くなっていきました。

そして、最終的には自分の視野の狭さに気づくようになり「教室でうまくやることだけが人生ではない」と思えるようになりました。

本を読むことをすすめたい3つの理由

ここからは、実際に不登校から立ち直れた私の経験をもとに、本を読むことで得られた3つのメリットを紹介します。

1. 時間を埋めてくれる

不登校で家にいると、時間の流れが止まったように感じませんか?何もすることがなく、ぼんやりスマホを触っていたら、気づけば夜…という経験は私にもあります。

私は、その時間を埋めるために本を読んでいました。本を読んでいると、ただ不安に押しつぶされSNSを見て過ごすより、わくわくしたり、笑顔になれたりと前向きな心の動きを感じることができます。

また、私の経験上不登校の傷を癒す一番の要素は「時間経過」だと感じています。

読書に集中することで、傷を癒すのに十分な「時間を稼ぐ」ことができるので、その点でも本はとても役に立ってくれました。

ただし、疲れている時や気力がない時に無理に行動に移さないでください。これも経験談ですが「あ、本読めそうかも」という気持ちはは精神状態が少し回復したときに生まれるものです。

ぼーっとしていたい、とか何もしたくない、という時は、いったんその感情に身を任せてください。

自分の感情を大事にしましょう。

2. 教室以外の世界が広がる

本を開くと、学校の外に広がる世界が見えてきます。

不登校の渦中にいる時は、教室が世界の全てのように感じてしまいます。ですが、本を読むと「教室って狭いな!」と気づくことができるのです。

「教室に馴染まなきゃ」「学校に行かないとダメ」と思い込んでいた私にとって、本で世界を広げることは、自分の現状を肯定することにつながりました。

本を読むことで、いろいろな人の生き方や考え方を知ることができます。

「こんな人もいるんだ」「こんな考え方もあるんだ」と気づくと、視野が広がり、自分の状況をもっと多角的に見られるようになります。

学校や教室はごくごく狭いコミュニティに過ぎません。それに比べて、世界の広いこと!

その実感を家に居たまま、楽しく読書で持つことができるのです。

3.人生の指針が見つかる

学校に行けていない間、とにかく「将来」に不安を感じて色々考えてしまいますよね。

決着のつかないこの不安な気持ちをどうしたらいいかというと、将来について先に考えている先輩の意見を参考にすることをおすすめしています。

方法は簡単。

いつも通り本を読んでいると、言葉選びや考えかたが「好きだな」と思う作家さんに出会うと思います。その人のエッセイ本を読んでみてください。

エッセイ本には、作家さんの人生の悩みや苦悩が赤裸々に書かれています。そして、作家さんの「将来の不安」に対しての回答がその本の中で見えてきます。そんな作家さんの将来の捉え方を参考にして欲しいです。

そうすることで、将来や人生について考え方が柔らかくなったり、視野が広がり多角的な視点から将来について考えることができます。

例えば、私の場合は歌人の穂村弘(ほむらひろし)さんの本に出会ってから「こういう大人になりたいな」と考えるようになりました。

おすすめ本1|将来の指針になった本

にょっ記  穂村弘著 文春文庫

穂村弘さんのエッセイ。生活なかの小さなところに目を配り、ユーモラスに表現する。

気軽に読めるため、気分転換や普段あまり本を読まない人にもおすすめです!

理想の生き方や、大人になることについて考える時はいつも先輩の意見(=本)を参考にしていました。

不登校でも視野を広げる|読書を始める3つの「〇〇ない!」

私が不登校の間、一番やってよかったことは本を読むことだと確信しています。

ここからは、不登校でも未来の選択肢を増やすためにできる、やってよかった視野を広げる本の読み方を紹介します。

コツ1:長い本を読まない!

本を読むことに慣れないうちは、読書はたくさんの体力と気力を使います。特に精神的に不安定な時に「文章を読む」というのは、読書が好きな私でも疲れることです。

そのため、まずは短い&薄い本から読んでみてください

最初は小学生のとき好きだった本や、簡単そうな薄い本から読み始めるのがおすすめです。

おすすめ本2|短くてすぐに読める本

ボッコちゃん  星新一著 新潮文庫

日本のSF作家の第一人者として知られる星新一の短編集です。文章は短いのに、読み終わったあともワクワクが止まらない一冊!集中力が続かないという人にもおすすめです。
出版年1971年と古いですが、今の時代に読んでもなぜか新しいと感じる変わらない面白さがあります。

コツ2:焦らない!

本を読み始めると、なんだか文章が頭に入らず、なんども同じ文書を読んでしまう、いわゆる「目が滑る」状態になることがあります。焦りを感じることと思います。

ですが、心配は入りません。本はあなたのことをじっと待っていてくれます。

本は逃げ出したり、早く読め!とあなたをせかしたりしません。

いつでもどうぞの姿勢であなたを待っています。

いつもじっくりあなたに付き合ってくれるのが本です。

だから、焦るとき、読書に気乗りしないときは、本を読む手を休めてOK

読めそうな時に少しずつ読む、それが楽しく本を読むコツです。自分のペースで楽しみましょう。

コツ3:全部読まない!

「全部真剣に読まないと!」と意気込んでいると、読書のハードルが高くなり本を開くのが面倒になってしまいます。

最初のうちは目次から読みたい部分だけを選んで読んでみるのもアリです。気楽に、興味が湧いたところから読んで、本と仲良くなっていきましょう。

まずは「本を手に取ったからには、全部読まなければ」という先入観を捨てましょう。

【まとめ】読書のコツ ―3つの「ない」―

  • コツ1:難しい本を読まない!
    • 短くて面白い本から読みはじめよう。
  • コツ2:焦らない!
    • 本は逃げないし、あなたを急かしたりしない。
  • コツ3:全部読まない!
    • まずは目次から読もう。全部読むの先入観を捨てよう。

気軽に本に会える場所

図書館を活用しよう

本に出会う場所としてまずは、図書館を利用することをおすすめします。

本を読むのにお金がかからず、外出して気分転換にもなる一石二鳥の方法です。

図書館によっては、カフェが併設されていたり、おしゃれな休憩スペースが設けられている場所もあります。本しかないと思いきや、足を運ぶと、涼しくて静かで意外と居心地のいい空間です。

また図書館によっては、地域の住民を対象にイベントを開催しています。図書館は利用者に広く開かれた施設なので、気軽に足を運んでください。

図書館の設備やイベントについては、地域によって異なるので、最寄りの
図書館のホームページをぜひ調べて見てください。

電子書籍も便利

現在は電子書籍やオーディオブックなど、多様な読書スタイルがあります。

電子書籍の便利な点はなんといっても手軽さです。スマホを操作できる環境であれば、例えばカップ麺を待つ間や、お風呂に入りながらも気軽に読書を楽しむことができます。

また、電子書籍の中には無料で利用できるものがあります。

それが「青空文庫」です。

無料の電子図書館『青空文庫』

インターネット上の電子図書館として、有志の方で作られているWEBサイトです。著作権の消滅した作品などを電子化しています。
夏目漱石や太宰治、宮沢賢治や江戸川乱歩など文豪たちの小説をすぐに/無料で読むことができます。

青空文庫 Aozora Bunko

東京都立図書館のサイトでは、本のプロが選んだ「青空文庫で読めるおすすめの本」が難易度別に紹介されているのでこちらも参考にしてみてください。

今こそ読みたい!ネットで読めるおすすめ作品|東京都立図書館
中央図書館(港区)、多摩図書館(国分寺市)。蔵書検索、都内の公立図書館等の統合検索。江戸から明治期の刊本、写本、古地図、錦絵、漢籍。 浮世絵と江戸城造営関係資料のデジタルアーカイブ。

さいごに

学校に行けなくても、教室が辛くても、本はあなたに新しい世界を教えてくれます。
途中で読めなくなっても、読むのが遅くても、本はあなたを急かしたりせず、いつでも待っていてくれます。

本を読むことで、少しでもあなたの世界が広がって「こういう生き方もあるんだ!」と知ってもらえれば嬉しいです。

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