「WEB業界ならリモートワークが当たり前!」
そんな噂を耳にして、WEB業界への転職を考えている方も多いのではないでしょうか。
かくいう私も、そんな魅力的な話に惹かれて未経験からWEB業界への転職を決意した一人です。
今回は、実際にWEB関連の企業2社で働いた私が、未経験のWEB転職における在宅勤務の実態について経験談をもとに解説します。
これからWEB業界を目指す方の参考になれば幸いです。
いきなり結論!:求人票に「在宅あり」でも、すぐに在宅勤務はできない!

さっそく結論からお伝えすると、未経験でWEB業界に転職しても、すぐに在宅勤務で働くことは難しいというのが現実です。
まず、私が転職した2社とも、求人票には「在宅勤務あり」と記載されていました。しかし実際には、どちらの会社でも在宅勤務を経験することはできませんでした。
というのも、2社とも段階的に在宅勤務を導入する方針だったためです。私の場合は1年ほどで退職してしまったため、在宅勤務の段階までたどり着けなかったのです。

そりゃあ当然ですね(汗)
ですが、出社して働く中でも「IT企業で在宅勤務がすぐに実現できない理由」を3つ感じました。
在宅勤務がすぐに実現できない理由
- コロナ後の出社回帰のトレンド
- 会社のセキュリティ面での制約
- 未経験者のスキル不足への企業の不安
理由1:コロナ後の出社回帰のトレンド

大手企業も出社を重視する傾向に
2020年のコロナ禍をきっかけに、新しい働き方としてリモートワークが普及しました。しかし、2025年現在、企業は再び社員に出社を求めるようになっています。
例えば、GAFAM(Google、Apple、Meta、Amazon、Microsoft)といった世界的なテック企業でさえ、従業員のオフィス出社を求める動きが顕著です。
参考記事
『米アマゾン週5日出社義務の衝撃、問われる「オフィス回帰」国内IT大手はどうする?』
日経クロステック 2024.10.04記事 米アマゾン週5日出社義務の衝撃、問われる「オフィス回帰」国内IT大手はどうする?2024年9月16日、米Amazon. com(アマゾン・ドット・コム)が世界中の従業員に原則として「週5出社」を求める方針を示したことが、波紋を広げている。これまでテレワークをリードする立場にあったテック業界の大手が、その勤務形態を否定し...
日本でもその動きにならって、特にIT業界でオフィスへの出社を求める企業が増加しています。
理由2:セキュリティ面での制約
貸与PCの持ち出し制限
社内で使用するパソコンを自宅に持ち帰ることには、多くのリスクが潜んでいます。
- 紛失や盗難
- ウイルス感染
- 不適切なネットワークへの接続 など
1つのミスが企業全体に影響する大きなトラブルに発展する危険性があります。
実際に私が働いていた会社でも、以下のような制約がありました。
- 会社支給のPCは原則として社内のみで使用
- 機密情報を扱う業務は必ず社内で実施
こうしたリスクを考えると、リスクヘッジのために会社側が持ち出し許可に慎重になることも理解できます。
理由3:未経験者のスキル不足への企業の不安
在宅勤務に必要な自走力の不安
未経験者が在宅勤務を行う場合、企業側は以下のような不安を抱えています。

「未経験者をいきなり在宅勤務にするのはリスクが高い」というのが、多くの企業の本音です。
まずは対面でしっかりと指導し、業務に慣れてもらってから段階的に在宅を導入する、という方針の会社が大半です。
在宅勤務経験者に聞く:在宅勤務の課題とは?

もちろんWEB業界で在宅勤務を実現している人もいます。
今回は週3日の在宅勤務を実現しているWEBエンジニア歴4年目のKさんに話を聞きました。
週3日も在宅なら、さぞ働きやすいだろう…!と想像していましたが、実際に話を聞くと在宅勤務ならではの課題点があることがわかりました。
課題1:時間のメリハリがない

いつまでも仕事ができてしまうので、私生活と仕事の線引きがあいまいになる…。
自宅にいると、ついつい「もう少しだけ」と作業を続けてしまい、結果的に長時間労働になりがちとのこと。
オフィスなら帰宅時間という明確な区切りがありますが、在宅勤務ではその境界があいまいになってしまいます。
課題2:コミュニケーションの難しさ

チャットでテキストベースのやりとりが基本になるので、文面に気を使って疲れる…。
対面なら表情やジェスチャーで補えるニュアンスも、チャットでは言語化して正確に伝える必要があります。
誤解を避けるために文章を何度も見直したり、相手の反応を気にしたりと、意外な負担があるとのことでした。
また、チャットでのやりとりでは、即座に返信がもらえるわけではないので、業務が滞る場合もあるようです。
現実を理解した上で、本当に求める働き方を考えよう

WEB業界=在宅勤務は確かに幻想だった
ここまでで以下のことがわかりました。
- 求人票に「在宅あり」と書かれていても、すぐに在宅勤務できるわけではない
- 未経験者は段階的な導入が前提で、相応の期間が必要
- 企業側にも様々な制約や不安がある
しかし、在宅で働ける可能性はゼロではありません。
入社後すぐの在宅勤務は難しいですが、業界経験を積めば道はひらけます。実際に4年目のWEBエンジニアの方が週3日の在宅勤務を実現していることも事実です。
重要なのは「なんで在宅勤務がしたいのか?」を考えること
ここまで在宅で働くことについて解説しましたが,重要なのは、自分が在宅勤務に求めているものは何か?を改めて考えることです。
例えば私の場合。
私が当時在宅勤務にこだわってWEB業界で転職活動をしていた理由は、今振り返ると
「家で働きたいから」ではなく「たくさんの人が集まる職場では気疲れしやすいから」だったことに気づきました。私の課題はあくまで「疲れてしまう」ことだけなので、例えば
- フリーアドレス制で自由に作業場所を選べる職場
- 気軽に休憩できるスペースが充実した職場
など、職場環境を工夫して選ぶことで対処できる問題でした。必ずしも在宅勤務にこだわる必要はなかったのです。
在宅勤務がしたい!という気持ちには、あなたの「本当に求める働き方」が隠されています。
「長距離の通勤が苦手」「自分のペースで仕事をしたい」「家族との時間を大切にしたい」など、理由を改めて見つめなおすことをおすすめします。
まとめ:在宅勤務はあくまで手段の1つ
WEB業界は
- コロナ後の出社回帰のトレンド
- 会社のセキュリティ面での制約
- 未経験者のスキル不足への企業の不安
などの理由で、特に未経験者が在宅勤務で働くにはスキルや時間が必要です。また在宅勤務における課題点にも注意が必要です。
在宅勤務はあくまで手段の1つです。目的ではありません。
在宅勤務は魅力的に見えますが、それが本当にあなたの課題を解決する手段なのか、一度立ち止まって考えてみてください。
WEB業界への転職を検討している方にとって、この記事が転職の判断材料の一つになれば幸いです。
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