職業訓練校でWEBデザイナーになれる?業界経験者が語る3つの厳しい現実【完全版】

職業訓練校でWEBデザイナーになれる?業界経験者が語る3つの厳しい現実 働き方・キャリア

「職業訓練  WEBデザイン 意味ない」という検索結果を見て、モヤモヤしていませんか?

私はWEB業界でプログラマーとして働いた後、職業訓練校でWEBマーケティングを学びました。WEBデザインとは少し分野が違いますが、職業訓練校の実情とWEB業界の現実を両方経験してきました。

結論から言うと、職業訓練校からWEBデザイナーへの転職は「不可能ではないけれど、すごく大変!」というのが正直なところです。

今回は、職業訓練校から未経験WEBデザイナーへの転職が難しい理由について、私の訓練校・WEB業界の経験をもとに解説します。

理由1:WEB業界のキャッチアップはプロでも大変

まず、WEBデザイナーがどれほど幅広い知識を求められるかを見てみましょう。

WEBデザイナーに求められる主なスキル

  • コーディングの知識(HTML、CSS)
  • デザインスキル(レイアウト理論、配色理論など)
  • デザインツール(Photoshop、Illustratorなど)
  • プログラミング知識(JavaScriptやPHPなど)
  • 技術的ツール(WordPressなど)
  • AIツールの活用(ChatGPTなど)
  • 情報セキュリティの意識(セキュリティリスクを理解)
  • WEBマーケティングの知識(SEO、アクセス解析やLPOなど)

これらの基礎を身につけるだけでも相当な学習量になります。


しかしさらに厳しいのは、これらの技術は日々進歩し続けていることです。

私がプログラマーとして働いていた会社では、ベテランの社員ほど情報収集を欠かさず、毎日新しい技術を学んでいました。「去年まで主流だった技術が、もう古い」ということがよくある世界です。

つまり、未経験者は「膨大な基礎知識を覚える」だけでなく「常に新しい情報をキャッチアップし続ける」という二重の負担を背負うことになります。

これが、WEB業界への転職が大変な理由の一つです。


理由2:職業訓練校では「基礎」しか学ばない

職業訓練校の限界について、私の実体験からお話しします。

私はWEBマーケティング専門の職業訓練校に通いましたが、そこでWEBサイト制作の授業も受けました。内容は本当に基礎的なもので

  • HTMLの基本タグの使い方
  • CSSでの簡単なスタイリング
  • デザインツールの操作方法(Illustrator,Photoshop)

といった「入門レベル」がメインでした。

WEBデザイン専門の訓練校なら、もっと詳しく学べるでしょう。しかし、それでも「実務で通用するレベル」までは到達できないと考えられます。

なぜなら、職業訓練校で学べるのはたいていの場合「ツールの使い方」であって、「商品として通用するクオリティで作る技術」ではないからです。

どういうことなのか、具体例を挙げました。

  • デザインツールの操作は覚えても、センスの良いレイアウトを作る技術は身につかない。
  • HTMLが書けても、実際のプロジェクトで使われる複雑なコードは扱えない。
  • 基本は分かっても、クライアントの要望を形にする応用力は養えない。

さらに実務では、先輩が細かいやり方をいちいち教えてくれることはありません。

「なんとなく分かる」レベルから「自分で解決できる」レベルまでの差を埋めるのは、けっきょく個人の努力次第になってしまうのです。

つまり、職業訓練校で学ぶことは「WEB業界の入り口に立つ」ことはできても、「即戦力として働く」ための準備としては不十分ということです。


理由3:WEBデザイナーの未経験者募集は極めて少ない

転職活動の現実についてもお話します。

実際の求人市場は以下のような状況です。

  • 未経験可のWEBデザイナー求人は非常に少ない
  • 正社員募集はさらに少ない
  • 多くの企業は即戦力を求めている

なぜこうなるかというと、企業側に未経験者を一から育てる時間と予算の余裕がないからです。

WEBデザイナーは「作ったものがすぐに評価される」職種のため、研修期間中でも一定のクオリティが求められます。


求人票を見る際の注意点

たまに「未経験者大歓迎!大量採用中!」という魅力的な求人を見つけることがあります。しかし、こういった求人には注意が必要です。

  • 大量採用の理由は離職率の高さ
    • 人がすぐ辞めるから常に募集している
  • 職務内容と実際の仕事が違う
    • 「WEBデザイン」と書いてあっても、実際は営業や事務作業がメイン
  • 労働条件が厳しい
    • 長時間労働や低賃金の可能性が高い

求人票を見る時のチェックポイント

WEBデザイナーの未経験募集求人を見る時は、以下のような内容も確認してみてください。

ここまでをまとめると、「未経験歓迎」の求人があっても、本当にWEBデザインの経験を積める環境かどうかは別問題ということです。


ここまで厳しい現実をお伝えしましたが、実は、職業訓練校には技術習得以外の意外なメリットがあります。そして、そのメリットを活かした転職戦略も存在します。

次回の記事では、「それでも職業訓練校からWEBデザイナーを目指したい人」向けに職業訓練校のメリットと成功戦略について詳しく解説します。

この記事が、WEBデザイナーへの転職を現実的に考えるきっかけになれば幸いです。

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