「なんで学校に行けないの?」
親に聞かれても、子どもは「なんとなく…」としか答えられない。そんな状況に悩む保護者の方も多いのではないでしょうか。
実はこれは、子どもが甘えているわけでも、サボっているわけでもありません。本人の中でも問題の全体像が見えておらず、うまく言葉にできない状態なのです。
私自身も不登校だった高校生の頃、毎日のように親に理由を聞かれても「なんとなく…」しか答えられませんでした。しかし、大人になった今、当時の「なんとなく」の正体がわかってきました。
今回は、私の経験をもとに「なんとなく学校に行きたくない」が生まれる理由と、親としてできる具体的な対処法を解説します。
「なんとなく行きたくない」の正体
「なんとなく学校に行きたくない」と言うと、原因がないように思えますが、実際は原因が複雑に絡み合っている状態です。

- 原因はあるが多すぎて本人も整理できない
- だから「なんとなく」としか表現できない
- 具体的な原因が言語化できず、周囲も対応に困る
つまり、「理由がない」のではなく、本人も問題の全体像を把握できていないのです。
なんとなくの正体に気づくまでの私の経験
私は中学生の頃から学校を休みがちで、高校入学後も単位を落とすギリギリまで休んでいました。特に高校2年生の頃金曜日がつらくて登校できない状態が続きました。
当時の状況は
- 金曜日の授業だけ単位不足になる
- 毎週金曜日の朝、「今日行かないと単位が足りない!」と泣きながらバスに乗る
- 原因はわからず、親にも「なんとなく辛い」という理由で休むことが多かった
金曜日にどうしても学校に行きたくない理由がわからなかったのです。
大人になってから見えてきた本当の理由
大人になってから冷静に当時の時間割を見直すと、金曜日に行きたくなかった理由が見えてきました。

金曜日の時間割は苦手な授業が多かったのです。些細なことかもしれませんが、それ以外にも
- 1週間の疲れがピークに達していた
- クラスメイトや先生も疲労で教室がピリついた雰囲気
これらが複合的に作用し、言葉にできない「なんとなく行きたくない」という感覚を作っていたのです。
この気づきから分かったこと
当時は、複数のイヤな要素が絡み合い、何が問題か本人も言語化できず、誰かに相談したり対応策を立てたり具体的な行動が取れませんでした。
- 何が問題なのか分からない
- どう対策すればいいか分からない
- 誰に相談していいか分からない
結果、「学校に行く/行かない」の二択しか選べず、本来あるべき「問題を整理して対策する」ができませんでした。

もし、冷静に問題を解決することができれば、不登校で苦しむ時間を短くできたのではないかと今でも感じます。
保護者ができる具体的な対処法
保護者ができる具体的な対処としては、問題を整理して対策する手伝いをすることです。
1.小さな問題を一つずつ整理する
- 「嫌だな」と思う出来事を具体的に聞く
- 「なんとなく」の背後にある小さな理由を見つける
2.信頼できる第三者に相談する
- 親だけで抱え込まず、スクールカウンセラーや専門家にも相談
3.無理に登校を強制しない
- 「行けない=ダメ」ではなく、本人が状況を整理するための時間として受け止める
4.子どもが自分で対策を考える機会を作る
- 小さな課題から一緒に改善策を考え、成功体験を積ませる
まとめ
「なんとなく学校に行きたくない」の裏には、必ず複数の具体的な理由があります。

保護者としてできることは:
- 原因を整理し、一つずつ対処していく
- 必要に応じて信頼できる第三者の力を借りる
- 子どもの気持ちを否定せず受け止める
少しずつ原因を整理し、解決策を立てることで、子ども自身が前向きに学校生活を考えられるようになります。まずは子どもの問題整理を手伝い、その子にとって何が課題なのかを洗い出すところから始めましょう。

