学校に行きたくなかった理由に10年後気づいたはなし

編集者エッセイ学校に行きたくなかった理由に10年後、気づいた話アイキャッチ 不登校

私が完全に学校に行かなくなったのは、高校2年生の冬休み明けのことでした。

もともと中学生の頃から学校を休みがちで、高校2年生でも単位ギリギリで何度も休んでいました。

中学から書き続けている手帳を見返すと、他の年に比べて、この年は特にスケジュール欄が空白でした。書き込む時間も心の余裕もなかったんだなと、今になって分かります。

◀︎ 当時使っていた手帳。
一番上が高校2年生だった時のもの。
赤いノートは学校に完全に行かなくなってからつけていた日記のようなもの。

なんで「金曜日」がつらかったのか?

当時、「金曜日」に学校を休みがちでした。金曜日の授業の単位が足りなくて、毎週金曜日になるたびに「今日は行かなきゃ…」と泣きながらバスに乗っていました。(今思うと、バスの他の乗客の人たちは困っただろうなあ…。)

はじめて金曜と土曜の2日連続で休んだことを記録した日記の実際の写真
この記録のときは金曜日と土曜日に学校を休んでいた様子。

結局、なんで金曜日に学校に行きたくなくなるのかは、ずっと分からなくて、自分の中では「何か分からないけど耐える日」みたいな認識でした。

でも、10年後に当時の時間割を発見して眺めてみると、こんな感じだったんです。

  • 3時間目:古典:怖いと有名な先生が担当でその先生が苦手だった。
  • 4時間目:英語:怖いと有名な先生が担当でその先生が苦手だった(その2)。
  • 5時間目:体育:体を動かすのが苦手なので恥ずかしかった。
  • 6時間目:数学:どんなに取り組んでも全く理解できない教科。

これを見て「そもそも時間割の時点で気がすすまなかったのか!」と気づきました。

時間割だけじゃなく、自分の1週間の疲れが出やすいのが金曜日だったり、クラスメイトや先生も疲れで教室がちょっとピリついた雰囲気になりがちだったことなど、いろいろな理由が考えられることが分かりました。

10年経って、今やっと冷静に分析できています。

当時は選択肢が見えなかった

今なら「じゃあこれを変えてみよう」といった対処法を試したり、他の選択肢を取るといった具体的な方法が思いつきます。

でも、当時はあまりにも、真っただ中にいました。何も対策が頭に思い浮かばなくて、「学校に行く」か「行かない」かの2つの選択肢しかないように思えていました。

解決策が見つからなかった私は、「学校に行く」を選んだら、もう学校に行ってひたすら耐えることしかできませんでした。

健全な解決方法が見つからないまま耐え続けた結果、精神的にどんどん疲れていきました。

それを繰り返すうちに、だんだん考える力も鈍ってきて、どんどん「学校に行く」「行かない」の選択の間でしか考えられなくなってしまいます。

そして私の場合は、もう「耐える」選択肢を手放したくなって、学校に完全に行かない、を選んだように思います。

どうすれば「学校に行く=耐える」にしないで済むのか

今のところ私に分かっているのは、「時間の経過を待つこと」です。時間の経過は、たいていのことを解決してくれます。

でも、それだけでは時間がかかりすぎてしまいます。(あたりまえですね…!)

なので、信頼できる大人に相談して「時間を加速」させることをおすすめします。

時間の経過をじっくり待たなくても、視野の広い大人に相談しているうちに、「こうすれば良いのか」という解決策が見えてきます。

信頼できる大人というのは、必ずしもあなたの家族だけではありません。

好きな教科を担当している先生、図書館や保健室の先生、部活の顧問など、学校にいる大人に相談してみたり、話を聞いてもらうことをおすすめします。

いろんな人に相談してみると、「このテーマはあの人が詳しそうだ!」という相談相手の見つけ方も分かってきます。

ネットの人にも相談してみるとおもしろいです(が、信頼できる人の見分け方が難しいです…。使い方に注意が必要です。)


一人で抱え込まず、まずは誰か一人でも話を聞いてくれる大人を見つけてみてください。きっと、今見えていない選択肢が見つかるはずです。

困った時は、相談することで選択肢が生まれることもあります。大人を利用してやろうくらいの気持ちで、相談して、新しい選択肢を増やして、あなたが少しでも生きやすくなることを心の底から願っています。

梅村 うみ

タイトルとURLをコピーしました